スマホネック

若い世代を中心に利用者が増えているスマートホン。いまや私たちの生活やゲームのような娯楽など切っても切れない存在になっています。それと同時にこちらも増え続けている「スマートホンネック(=スマホネック,ストレートネック)」とはどのようなものなのでしょうか。

  • スマートホンを使う方々にはからだにどのような影響があるのか?
  • スマホネックとはどのようなものか?
  • スマホネックで現れるからだの異常とは?
  • スマホネックに対して鍼灸はどのようなことができるのか?
  • スマホを使い続けることで注意することは?

スマートホンの使い過ぎ

 スマートホンを長い時間使う方が増えている中,からだの異常を訴える方も増えてきています。いったいどんな影響があるのか?スマートホンでインターネットを使う時間は年々長くなってきています。

  • 長い電車の時間の間,ずっと下を向いて使っているので肩がこる
  • 首が痛くなるだけでなく,からだも痛くなる
  • 携帯とか使い始めてから首とか肩とかすごくこるようになった
  • 時間があればスマホを触っていて,気がつけばかなりの時間がたっていた
  • 1日中見ている状態がだんだんつらくなり,ついにからだがもたなくなる

いま,スマートホンをよく使う世代に首や肩に異常を訴える方が増えています。

スマホネック(=ストレートネック)

 首は重い頭を支えています。頭の重さは体重50キロの人でおよそ3.5キロあります。その負担を減らすために首の骨はゆるやかなカーブを描いています。正面を向いた状態でうつむいた姿勢をとると首の骨はまっすぐに伸びます。
 この姿勢を長時間続けると,首の周りの筋肉がこり固まってしまいます。そうすると首をもとに戻しても首が筋肉に締め付けられて自然なカーブがなくなってしまいます。いわゆるストレートネックという状態です。
 もともとうつむき加減で家事などをする主婦に多かったストレートネックですが,最近では若い年代の方にも増えているのです。パソコンやスマートホンの長時間使い過ぎでどうしても頭を下げてしまうからです。

スマホネックの主な症状

 スマホネックから現れる症状は,めまい,のぼせ,吐き気,手のしびれなど多岐にわたります。ここではその中からもっとも頻度の高い「頭痛」「首~肩の不調」「ドライアイなどの目の不調」についてお話しします。

頭痛

 慢性頭痛には

  • 頭の血管が拡張する「片頭痛」
  • 頭の筋肉が締め付けられるような「緊張性頭痛」
  • 目の奥がえぐられるような痛みの「群発性頭痛」

がありますが,スマホネックとの関連性を考えると,緊張性頭痛が多いのではないでしょうか。
 この緊張性頭痛は月に15日未満の反復発作性と,月に15日以上でそれが6か月以上続いている慢性型に分けることができます。特徴として

  • 頭痛の持続時間は30分~1週間と幅がひろい
  • 圧迫されるような,締め付けられるような痛み
  • 頭の左右両側に発生する(片頭痛との違い)
  • 痛みの程度は軽~中程度で歩行や階段の上り下りで悪化することはない
  • 日常生活に多少の師匠をきたすが寝込むほどではない

またスマホの画面を見るせいか群発性頭痛のような目の周囲から奥のほうの痛み,おでこやこめかみにかけての痛みを訴える方も多く見ることがあります。
 ストレートネックのところでお話ししたように,スマホの画面に夢中になって頭をうつむきに下げてしまい,首の後ろから後頭部にかけての筋肉の緊張が原因だと思われます。

首~肩にかけての不調

 ストレートネックのところでもお話ししたように,頭を長時間下げてしまっているために首の周りの筋肉が凝り固まってしまい,首をもとに戻そうとしても筋肉によって締め付けられてしまっています。
 首の骨からは肩や腕,背中や胸に向かう神経が出ているので首の筋肉のコリはそれらの神経を締め付けていることになります。また腕の重さ(体重50キロの人で片腕3.3キロくらい)を支える肩の筋肉はほとんどが首に付着しています。そもそも凝りやすい肩の筋肉はスマホネックによってさらにコリが悪化することになるのです。
 首~肩にかけての不調は,首が左右によく回らない,肩が前方に入る猫背のような姿勢になってしまう,腕が上がらない背中に回らないなどの運動障害も現れます。

目の不調

 人の目は涙に含まれる酸素や栄養によって守られ,乾燥からも防がれています。その涙はまばたきによって補充されています。ところがスマートホンやパソコンの画面操作に夢中になっているとついまばたきの回数が少なくなったりしなくなってしまいます。そうすると目に涙液が補充されなくなってしまいます。とくにメガネやコンタクトレンズを装着している方に多く見られます。
 そうなるといわゆるドライアイのような状態になります。また涙液からもらえる酸素や栄養が少なくなるので疲れ目や眼精疲労がひどくなります。さらに目の疲れてからもっとしっかり見ようとするようになるので,無意識に画面と目の距離が近くなるので頭が下がってしまいストレートネックがひどくなってしまいます。

スマホネックの鍼灸施術

 スマホネックは首の筋肉の強ばりが原因です。鍼灸は筋肉のこりをとることを得意としているので,スマホネックも鍼灸の得意とするところでもあります。

首の周囲に鍼をうつ

 まず首の周囲に鍼をします。筋肉の緊張が強いので私は中くらいから少し太めの鍼を,神経や血管も多く走っているので慎重にうちます。仰向けに寝てもらい顔を左右に向けて首の側部にうちます。次にうつ伏せに寝てもらい後頸部(首の後ろ)から首と頭の付け根あたりにうちます。場所によって腕や背中のほうに,または目の奥のほうに向けて鍼のひびき感を与えます。
 温灸や温パックをするとさらに首の筋肉が柔らかくなります。

関連する場所にも鍼をする

 首以外の関連していると思われるところにも鍼をします。腕や背中などを押すと肩や首,頭に響く場所があるのでそこを探してうちます。あとはこめかみや耳の前あたり,上あごと下あごのかみ合わせ部のところです。ここは顔面なので施術の一番最後に細い鍼でうちます。まぶたの上にタオルを当ててネパール棒灸などで温めてあげると疲れ目に効果があります。

最後に首のストレッチ

 施術の締めですが仰向けに寝てもらった状態で首のストレッチをします。頭を持ち上げて右や左に向けて首の筋肉を引っ張ったり,引っ張りながら肩を押し下げて首筋がのびるようにします。
 最後に座った状態で首を回旋してもらったりして気になるところが残っているかチェックします。必要によって鍼を追加することがありますが,肩を軽くあん摩して終わりとします。

おわりに

 スマートホンなどを使っているとき気をつけることは

  • スマホは連続15~20分を目安に,一度首を後ろに倒します
  • 天井を見るくらいまで倒して首の後ろの筋肉をゆるめます
  • つい夢中にならないように目のまばたきを意識する

など,首の筋肉を休ませてあげることと,姿勢や使用時間に気をつけてあげることが重要です。

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